- 「男女共同参画に関する県民意識調査(平成29年)」によると、「男女とも仕事をし、家事・育児・介護も分かち合うべきでは?」という思いが男女ともに全体の8割以上を占めていますが、実際には女性の負担が男性よりも高いままのようです。
- 谷口室長
- 性別による固定的な役割分担意識は、時代とともに変わりつつあるものの、依然として根強く残っているのかもしれません。SDGsの中にも「ジェンダー平等」があるように、男女ともに活躍することは、これからの社会に不可欠です。県では、「イクメン・家事メン養成講座」などを通じて、家事や育児の役割分担について意識変革を進めています。
- 田實課長
- できないという思い込みから、家事や育児に参加できずにいる男性も意外と多いと聞きます。そのような講座を契機に家事や育児にぜひチャレンジしてもらいたいですし、部下をもつ役職者の意識変化も大前提として求められると思います。
働き方を見直し、家庭へ参画しやすい環境づくりを
- 谷口室長
- 長時間労働の抑制など、働き方の見直しにより男性が家庭へ参画しやすい「環境づくり」も大きな課題です。県では、仕事と家庭の両立支援や女性の活躍推進などに取り組む企業の中で、特に優良な取り組みや模範となる独自の取り組みを行う企業を「ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」として認定し、職場の環境改善の機運醸成を図っています。
- 田實課長
- 我々も早くから仕事と育児の両立支援として、託児所の開設などの環境整備に取り組み、岐阜県より各種認定マークをいただきましたが、実際には必要に迫られた整備でもありました。しかし、その約30年前の子育て支援の一歩が、今や職員支援の大きな柱となっています。
県では女性活躍の必要性や効果をPR
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総務省の労働力調査(令和元年)では、リーダー的な役割を果たす女性職員の割合は全体の14.8%でした。今後、持続可能な女性の活躍が期待できると思いますか?
- 谷口室長
- この現状を打破するには、社会全体の意識を変えていく必要がありますね。その第一歩として、県ではまず企業のトップの意識を変えていけたらと考えています。具体的には、女性登用の拡大による生産性向上などをテーマとした「イクボス養成講座」や、「SDGs推進ネットワーク」のセミナーで、女性の活躍を推進する企業・団体の取り組みを紹介するなど、経営者の皆様に、女性の活躍の必要性とその効果についてPRを進めています。
- 田實課長
- 私自身も入職当時は役職者になっているイメージを全く持てていませんでしたが、周りに高い調整能力を持った女性役職者のモデルがあり、背中を押してもらいました。性別を超えた活躍ができる風土は財産だと感じます。
- 谷口室長
- 行政側だけでなく、企業側の主体的な取り組みの輪も広がっていて、県経営者協会さんが主体となって女性管理職育成研修を実施してくださったり、民間企業さんが中心となって異業種ネットワークを立ち上げられ、女性管理職登用に関する役職者交流会などを実施いただいています。
- 田實課長
- 職種や企業を超えた交流の機会があるのは、非常にありがたいですね。我々も、スピード感のある時代の中で豊かな感性を持ち、職員同士が良い刺激を受けながら成長し続けたいと思います。今日は実りの多いお話をありがとうございました。
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岐阜県では、SDGsの達成に向けて「オール岐阜」で取り組むため、企業や団体、市町村、個人等からなる「『清流の国ぎふ』SDGs推進ネットワーク」を設置しています。
このネットワークでは、セミナーの開催や各種情報の提供、マッチング制度により、会員の皆様の取り組みを支援しています。ぜひ、ご参加ください。